

傘の撥水効果は復活させることができる

長く使っているとどうしても気になるのが傘の撥水性が薄れてくること。買ったばかりの頃とは比べ物にならないほど水を弾かなくなりびっしょりになって傘をたたむのも一苦労。こんな経験をしたことがある方は多いと思います。
ですが家庭にあるものを使って簡単に傘の撥水効果は復活させることができます。ポイントは「熱」を与えてあげること。
①ドライヤーを使う方法

【準備するもの】
タオル(ティッシュ)、ドライヤー
【手順】
- 傘をよく乾かす
- 傘を開き、タオル又はティッシュを使って傘表面を軽く湿らせる
- 傘表面から10 cm程度距離を取り、ドライヤーで温風を当てていきます。
ドライヤーをかける時間の目安としては先に濡らしたものが完全に乾くまで。近距離でのドライヤーのかけすぎは傘の生地を痛めてしまう恐れもあります。また、場合によっては生地が溶けてしまうこともありますのでご注意ください。


十分な撥水性に見事復活。撥水スプレーなどを購入しなくても水をきっちり弾いてくれるようになります。
傘の撥水が弱ってきてたからドライヤーかけたんだけど見事に弾きまくるようになってて良いぞ
— [技巧の二輪]ヨシヲ㌠ (@yoshio_will) October 31, 2016
②アイロンを使う方法
【準備するもの】
アイロン
【手順】
- 傘をよく乾かす
- アイロンの温度を化学繊維で使用しても問題のない「低温」にセット
- 傘を広げた状態で、裏側から一コマずつ丁寧にアイロンがけ
衣服のしわを伸ばすときと同様に、普段通りでOKです。

なぜ撥水効果が復活するの?

傘の表面は、「フッ素樹脂」を使った撥水加工がなされています。この撥水加工により、フッ素樹脂の鎖が傘の生地表面に広がります。これによって傘と水滴の接地面積が小さくなるのです。
水には表面張力が働いているため、細かな隙間に入ることができません。そのため水滴は傘の生地に浸み込むことなく弾き出されるというわけです。
フッ素樹脂の鎖が倒れることで撥水性が落ちる

傘の撥水性が落ちる原因は、このフッ素樹脂の鎖が倒れて寝てしまっているためです。撥水加工が取れてなくなっているわけではありません。
折りたたむ際の生地同士の摩擦、手の油や汚れなどが原因で、傘をどんどん使っているうちにこのフッ素樹脂の鎖が乱れたり倒れてしまったりするというわけです。
これによりうまく水滴を弾くことができず、水が傘の生地表面にまで達してしまうことで、びっしゃりぐっしゃりと濡れてしまうのです。
熱を与えることで鎖を元の状態に
つまりこのフッ素樹脂が残っていれば、スプレーなどで新たに傘表面に撥水加工をする必要はありません。この鎖を元の状態に起き上がらせることさえできれば傘の撥水効果は復活するということになります。
この鎖は熱を与えることで元通りきれいに直立するという性質があるため、ドライヤーやアイロンによって傘に熱を加えてやることで撥水性を復活させることができたというわけです。
以上が熱を加えることで傘の撥水効果が復活した理由になります。

