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羽毛布団の中は汗でいっぱい!羽毛を傷つけない正しい水洗い方法

羽毛布団は中綿が多いので汗を吸収しやすいという欠点があります。人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかくので、洗っていないと羽毛布団の中は汗まみれ。それに汗シミや汚れが落ちず羽毛に残ったままだと、乾いていても傷んでしまい弾力性が失われていきます。少なくとも2年に1回は水洗いしてください。
自宅で羽毛布団を洗う場合
自宅で洗う場合は羽毛布団を浴槽に浸けて手洗いします。洗濯機だと羽毛布団が傷付く可能性があるためおすすめできません。浴槽に浸けて手洗いするときは以下の手順で行ってください。
①浴槽に30度のぬるま湯を溜める
30度ほどのぬるま湯を浴槽に溜めていきます。水温が高いと羽毛を傷めてしまいます。羽毛布団は汗を多く吸収しているので、中性洗剤のように汗シミの落ちやすいものを使います。漂白剤やアルカリ性の洗剤は羽毛を傷めるので絶対に使わないでください。
なお羽毛布団は中綿が多く空気をたくさん含んでいるので、そのまま浴槽に浸けると浮いてしまいます。先に羽毛布団内の空気を押し出し、抜けきった状態のものを浴槽に浸けてください。
②浴槽内でもみ洗い
羽毛布団は踏み洗いすると中から羽毛が出てきてしまうことがあります。手で力強くもみながら洗い、洗剤液を染み込ませていきます。
③ぬるま湯だけを溜めてすすぐ
浴槽にぬるま湯を溜めて羽毛布団をすすぎます。洗剤液の泡が出なくなるまですすいでください。
すすぎ終えたら浴槽の栓を抜き、もみながら水気を切ります。
④風通しの良い日陰に3日以上かけて干す
羽毛を天日干ししてはいけません。羽毛はたんぱく質でできているため、人肌と同じで日に当てると日焼けして傷んでしまいます。もともと羽毛自体に放湿性があるため、日陰で3日間干していれば乾きます。2~3時間おきに乾かす面を替えて、表裏に乾きムラが出ないように満遍なく乾かします。
コインランドリーで羽毛布団を洗う場合
コインランドリーで洗う場合は以下のことをまず確認してください。
- 羽毛布団がキルティング加工されていること
碁盤の目のように縦横に表地と裏地が縫われていることを確認してください。縫われていないと洗った後に羽毛が偏ってしまいます。 - 洗濯マークがあること
洗濯表示に洗濯マークがないとコインランドリーでは洗えません。 - 側生地がシルクやレーヨンのものは洗えない
羽毛を包む外側の生地がシルクやレーヨンの場合、水に弱く洗うことができません。この場合はクリーニングに出してください。
①羽毛布団内の空気を抜いて紐で縛る
自宅で手洗いするときと同じように羽毛布団内の空気を抜いておきます。紐で縛らないと空気が入り形が戻ってしまいます。自宅で手洗いするときと違い、洗濯機に入れている間は布団を押さえることができませんので体重をかけながら羽毛布団を巻き、上下2箇所を紐できつく縛ります。
②洗濯・脱水・乾燥
羽毛は水に弱いため基本的に長時間水に浸けるようなことはしないでください。シングルサイズのものであれば50分で洗濯と脱水まで可能です。羽毛布団に湿気が残ってしまうと、弾力性がなくなってしまうため乾燥には時間をかけましょう。
また乾燥させている間に羽毛布団内に空気が入っていくため、乾燥機に入れる前に縛った紐は取っておきます。紐を結んだままだと後で縛り跡が残ってしまいます。30~40分に一度乾燥機内の羽毛布団をひっくり返し表裏が万遍なく乾くようにします。
自宅に持ち帰った後は羽毛布団内に空気を入れるため、日陰で1日かけて干します。弾力を取り戻すためにこの作業が実は最も大事なので覚えておきましょう。
羽毛布団の寿命を考えるとクリーニングに出すべき
クリーニングに出す場合はウェットクリーニングで洗ってもらいます。汗は水溶性のためウェットクリーニングでないと落ちにくいんです。ドライクリーニングだと油溶性汚れを落とすのに効果的ですが、羽毛に付着した必要な油脂分まで落ちてしまいます。羽毛から油脂分がなくなると、ふんわりした弾力がなくなってしまい逆効果となります。
自宅やコインランドリーでも羽毛布団を洗うことはできますがどちらの方法で洗っても傷めやすく、羽毛布団の寿命が縮んでしまいます。
羽毛布団には水鳥やガチョウ、アヒルの羽毛が使われていてどれも水に弱く頻繁に洗うことさえできません。なので洗うときは最も羽毛を傷めない方法にしてください。羽毛布団をクリーニングに出すと5000円近くかかります。
あるいは思い切って買い替えを考えている方は、布団生地に「ゴア(GORE-TEX)」を使用したものがおすすめです。そもそもゴアが羽毛を覆っているため布団を「洗濯する」という概念がありません。ゴアは水を弾き、かつ自然界の物質ではないためカビやダニなども一切寄せ付けません。羽毛に水が触れる機会を与えないため衛生面を第一に考えた場合、完全無菌の布団で毎日寝ることができます。
価格は通常の羽毛布団の2~3倍するため手軽に手に入れられるものではありませんが、洗濯が面倒、潔癖症、長く使える羽毛布団を考えている方には非常におすすめです。