レーヨン素材はなぜ家庭で洗濯することができないの?

かずみ店員
レーヨンは化学繊維の分類上「再生繊維」といわれています。原料は、木材パルプやコットンリンター(綿の実から綿花を取った後に残る短い繊維)。レーヨンは吸湿性があり色々な染料に良く染まり綺麗な色が自由にできるなどメリットも多いのですが、「洗濯」については非常に手間がかかってしまいます。

レーヨン素材は水洗いできない

レーヨンは他の繊維となじみやすいためポリエステル、綿、ナイロン等との混紡によく使われ様々な織物を作り出しています。またサラッとした肌触りが好まれ、誰しも1着は持ち合わせているのではないでしょうか。

このようにレーヨンが部分的に利用されている場合にはおしゃれ着用洗剤などで洗うこともできるのですが、レーヨン100%の衣類については水洗いできません。

吸水性が高すぎること、洗濯によって毛のキューティクルが開いてしまうこと、またそれによって周りの毛と絡まって縮んでしまうこと。こういった理由でレーヨンを自宅で洗うことが困難とされているのです。

レーヨンの特性

レーヨンは汗などの水分をよく吸収する反面、濡れると強度が大きく低下ししわになりやすく、また破れやすい特徴を持ちます。そのため、取扱いや洗濯方法に苦労されている方も多いでしょう。

なぜレーヨンがこんなに大変なのかというと、例えば新聞紙が水に濡れた状態を思い浮かべてみて下さい。ベロベロになって引っ張ればすぐに破れてしまいますし乾いたらごわごわになっておまけに縮んでいます。レーヨンは水がなによりも苦手なのです。

夏場にレーヨンを着てはいけない

また夏の暑い日、衣類に袖を通しただけでもその吸水性の高さからレーヨンは汗を吸ってしまいます。しかし汗は水溶性汚れなので、水で洗わないとスッキリ落ちず、水に漬ければ縮んでしまうためドライクリーニングしかできません。家庭でレーヨンの洗濯が難しいという原因はここにあるのです。

ちなみにクリーニング屋でもレーヨン素材を水洗いしている所は少ないようです(今になってはほぼない)。レーヨン衣料をクリーニング(ドライ)に出し、来シーズンのために着ようとして、取り出してみたら汗じみが出きていたという話は大変多く耳にします。

そのためレーヨン素材については、

  • 夏場は絶対に着ない
  • 冬限定で着用、天候にも気をつける
  • できればレーヨンと他の繊維の混紡、洗える素材を購入する

以上のことに気を付けるようにして下さい。

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