


このページの目次
衣類には弱アルカリ性か中性の洗剤を使う
洗剤はph(ペーハー)の数値で酸性・中性・アルカリ性に分かれます。小学校の授業などで、よくリトマス紙を液体に湿らせて酸性・中性・アルカリ性と判断しませんでしたか?あれはphの数値を計っていたんです。
液性 | phの数値 | 用途 |
酸性 | ~3.0 | 酸性洗剤はトイレ用洗剤によく用いられます。尿の成分がアルカリ性なので反対の酸性が汚れをよく落としてくれます。 |
弱酸性 | 3.0~6.0 | 人肌が弱酸性です。そのため刺激の少ないシャンプーやボディソープなどに用いられます。 |
中性 | 6.0~8.0 | 衣類汚れのほとんどが酸性でそれを中和するために中性洗剤を使用します。洗濯用洗剤の中でも繊維を傷つけにくく、ウールやドライマークなどのデリケートな洋服を洗うときに使います。 |
弱アルカリ性 | 8.0~11.0 | 洗濯用洗剤の中でも洗浄効果が高く、粉末洗剤によく使われます。ただウールやシルクなどデリケートなものを洗うときはその洗浄効果が仇となり繊維を傷めてしまいます。 |
アルカリ性 | 11.0~ | 洗濯用洗剤としてはほとんど使われることはありません。換気扇やキッチンの油汚れに適しており、衣類に使うと生地が溶けてしまう可能性があります。 |
頑固な汚れには弱アルカリ性の粉末洗剤

中性洗剤で落ちなかった汚れは弱アルカリ性の洗剤が効果的です。しかし弱アルカリ性洗剤が使える衣類は綿や麻、合成繊維のものと限られてしまいますのでよく確認してから使用して下さい。
なぜ粉末洗剤に弱アルカリ性のものが多いの?
洗剤の成分がアルカリ性に傾くと、液体の形で留まらず固形になってしまいます。そのためアルカリ性の洗剤は粉のものが多いです。液体洗剤の中にも弱アルカリ性のものはありますが、洗浄効果が低く中性洗剤と比べても汚れ落ちに差はありません。弱アルカリ性洗剤を使う目的が明確であるなら粉末洗剤を使用しましょう。
衣類に優しい中性洗剤
中性洗剤には界面活性剤が含まれます。界面活性剤は水と油を混ざりやすくするためのもので、皮脂や油汚れを落としやすくなります。弱アルカリ性洗剤の洗浄効果が高いのは確かですが、目立った汚れがないのに弱アルカリ性洗剤を使うと、ただ衣類を傷つけてしまいます。色落ちする可能性もあるため、毎日使用するなら中性洗剤がおすすめです。
漂白剤を使うときはどんなとき?
漂白剤は白物を洗うときのみに使ってください。漂白剤の成分はアルカリ性で色素を分解して汚れを落とします。そのため柄物や色物に漂白剤を使って洗うと確実に色落ちしてしまいます。
蛍光増白剤を使ってもいいの?
蛍光増白剤は漂白剤と異なり、衣類そのものを無理やり白く見えるようにするものです。蛍光増白剤を使った衣類は紫外線を吸収しやすくなり、蛍光塗料によって見た目だけの白さが増します。そのため白さの低下を防ぎたい白シャツや白衣、シーツなどに使います。
無理に白を強調させているため、パステルカラーのように淡い色のものに使うと色合いが変わってしまう恐れもあります。
洗剤を正しく使い分けて衣類を守ろう
衣類をきれいに洗い上げるためには、洗剤の用途を理解して汚れに適したものを選ぶことが大切です。クリーニングでは自然に行っていることも、洗濯している方の中には洗剤の用途を理解しないで使いがちです。
また洗剤は中性と弱アルカリ性の両方用意しておくと洗濯に幅を効かせられます。たとえ衣類に目立った汚れがなくても1ヶ月に1回は弱アルカリ性洗剤を使い、中に染みこんだ汚れを取り除いてください。