毛玉にならない洗濯方法~衣服のこすれ合いが原因

えりか
買ったばかりの洋服だったのですが、洗濯を終えたら毛玉だらけになってしまいました。普段通り洗濯しただけなのですが…毛玉を防ぐにはどうすればよかったのでしょうか?
かずみ店員
毛玉は衣服同士のこすれ合いが原因で発生します。洗濯の際もそのこすれ合いを抑えることで毛玉発生を防止することができるのです。また、アクリルやポリエステルといった合成繊維は毛玉ができやすい特性を持つため注意が必要です。

毛玉発生の原因は生地同士のこすれ合い

毛玉ができてしまう一番大きな原因、それは衣服同士のこすれ合いです。

生地表面の摩擦によって静電気が発生、それにより繊維の先端が毛羽立ちます。その毛羽立った繊維が集まることで束になり、絡まり合うことで毛玉になってしまうのです。

洗濯機による洗濯はその回転を利用して衣服をこすり合わせたり、叩きつけたりすることで汚れを落としています。そのため、洗濯には毛玉発生の原因が揃ってしまっているというわけなのです。

【毛玉の予防策】洗濯時にはこんなことに注意

つまり、衣服生地表面繊維のこすれ合いを抑え、摩擦や静電気の発生を極力防ぐことが毛玉の予防策となります。

毛玉の発生を抑えるための洗濯のポイントをいくつかご紹介しましょう。

裏返して洗濯機へ

裏返すことで生地表面が内側に入りますので、繊維の直接的なこすれ合いを防止することができます。

洗濯ネットの活用

こちらも生地同士のこすれ防止に非常に役立ちます。しかし、ただ洗濯ネットに入れておけばいいというわけでもありません。

特に洗濯ネットのサイズ選びには注意が必要です。大き過ぎると衣服がネットの中で動いてしまい、かえって摩擦を引き起こしてしまいます。ぴったりのサイズ、もしくは少し小さめのネットを選ぶようにしましょう。

また、衣服は一つ一つ別の洗濯ネットに入れるのが無難です。まとめて一つの洗濯ネットに入れてしまっては、結局その中でこすれ合うことになりますので、あまり意味がなくなってしまいます。それだけでなく、そもそも一つの洗濯ネットに複数枚の衣服を入れた場合、汚れの落ちやすすぎが甘くなってしまいますので注意が必要です。

柔軟剤の活用

柔軟剤の主成分である陽イオン系の界面活性剤が、静電気対策にひと役買ってくれるのです。導電性を高めることで静電気を逃がし、衣服に静電気が帯びるのを防いでくれます。また、ごわつきが減り滑らかな手触りの仕上がりになるため、繊維の摩擦軽減、絡まり防止にも繋がります。

しかし柔軟剤は、表面をコーティングし擬似的に滑らかさを演出しているようなもなので、生地や繊維によっては逆効果となることもあります(例:今治タオル)。

こうした素材を洗濯する際は、柔軟剤いらずの中性洗剤などがおすすめです。「毛玉専用」のアイテムも多いので活用していきましょう。

洗濯機には詰め込みすぎない

洗濯機の容量いっぱいに洗濯物を入れてしまうと、衣服同士のこすれはどうしても多くなってしまいます。そのため、洗濯物を容量の7割程度に抑え、余裕を持って洗濯機を回してあげると効果的です。

ドライコースでやさしく洗う

通常コースでのお洗濯ではなく、自動で洗う力や脱水の加減が弱く設定される「ドライコース」の活用も効果的です。衣服への負担を減らしてやさしく洗うことで、摩擦の軽減を狙います。

なお、洗濯機によって「手洗いコース」や「ソフトコース」など、その名称は様々です。分からない場合は、取扱説明書やメーカーホームページを今一度確認してみてください。

かずみ店員
とは言っても洗濯機にかけている以上、他の洗濯物とのこすれ合いをゼロにすることはできません。お気に入りの衣服、毛玉をどうしても防ぎたい衣服は「手洗い」という選択も検討してみてください。

洗濯以外にもこんなことで毛玉対策

洗濯をメインに毛玉の予防策を紹介してきましたが、もちろん、他の場面でも毛玉の発生に繋がる部分はありますし、その対策も様々です。

静電気防止スプレー

先ほどの柔軟剤と同様のメカニズムです。スプレーに含まれている界面活性剤により静電気を逃がし、衣服に帯電するのを防ぎます。

着用前にシュッとかけるだけですので非常に簡単です。

連日の着用は避けブラッシングの習慣を付ける

コートなど、連日の着用は避けて衣類に休暇を与えることが大切です。また、着用後はブラッシングの習慣をつけましょう。ブラッシングをすることで毛並みが整い、毛玉の原因である絡まりを防ぐことができます。

毛玉ができやすい合成繊維には特に注意

全ての衣服に共通して毛玉ができるのかと言うと、当然そんなことはありません。毛玉にもできやすさ、できにくさというものが存在します。

ポリエステル、アクリルなどの合成繊維は毛玉ができやすいので特に注意が必要です。このような合成繊維は比較的丈夫で、長めの繊維ですので、非常に絡まりやすく毛玉ができやすいというわけです。また出来上がってしまった毛玉もその丈夫さゆえに非常に取りにくくなってしまいます。

また、アクリルと綿、ポリエステルとウールといった組み合わせの、合成繊維を含んだ「混紡糸」による衣服も、同様に絡まりやすく毛玉ができやすいので注意が必要です。

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