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タバコ臭は様々な種類の臭い分子が原因

今ではずいぶんと分煙が進んできています。とはいえ、いつの間にか衣服にタバコの臭いが…なんてことはまだまだよくある事だと思います。非喫煙者にとっては耐え難い苦痛。その上、タバコ臭は簡単には落ちないため、本当に厄介です。なんとか臭いが落とせぬものかと苦労したことがある人は多いはずです。
タバコ臭は「複合臭」といって、様々な複数の種類の臭い分子が集まって形成されています。
ニコチン、アセトアルデヒド、タール、硫化水素、アンモニアなどなど。
こうした物質が、衣服の繊維の奥の奥にまで入り込んでしまうことで、洗濯しない限りはなかなか落とすことができなくなります。
スーツのタバコ臭を落とすにはやはり「洗濯」が一番
基本的にタバコ臭は洗濯をすることで綺麗サッパリ落とすことができます。
タバコ臭の原因となっている物質のほとんどは水溶性であるため、たとえ衣服に染み付いていても、特別な洗剤を使用することなく落とせます。
ところが臭い移りには注意したいところです。タバコの臭いが付いてしまったものは通常の洗濯とは分け、別々に洗濯することをおすすめします。
そうなると問題になってくるのはやはり日頃簡単には洗うことのできない衣類ではないでしょうか。スーツやコート、ジャンパーなど、タバコの臭いをまとったまま着続けるわけにはいきませんよね…。
洗えない、でも臭いを抑えたい…すぐにできる応急処置とは
「大事な会議が控えているのにスーツからはタバコの臭いが…。」
洗うことなんてできない。でもタバコの臭いを少しでも抑えなくてはいけない。そんな困った場面で実践したい、ささっと簡単にできるタバコ臭対策をご紹介します。
ただ、完全に臭いを取ることのできる方法ではありません。あくまで臭いを和らげる応急処置と思っていただければ幸いです。
①ぶんぶん服を振り回す
衣服をバッサバッサ、ぶんぶんと上下に振り回してみましょう。やることはこれだけです。
振り回したことにより、衣服に入り込んでいた臭い分子が外に追い出されていくのです。物理的に臭いを追い出してやろうという考えです。
軽度のタバコ臭を抑えるには必要な道具は何もなく、手軽に行えますのでもってこいの方法と言えるでしょう。
②ドライヤーの風を当てる
考えとしては衣服を振り回す方法と同じです。物理的に臭い分子を追い出します。
冷風モードにセットし、10cmから20cm程度離してドライヤーをかけるだけ。
こちらも同様、軽度のタバコ臭をささっと抑えるにはもってこいの方法です。
③スチームアイロンを使う

スチームアイロンを使い、衣服に満遍なく蒸気を当てていきます。その後は風通しの良いところに吊るして終了です。
臭いの原因物質が水溶性であることを上手く利用し、蒸気を当てることで臭い分子を蒸気に吸収させて衣服から追い出します。我が家でも最も活用している方法です。ハンディタイプでタバコ臭以外にも使えます。水を入れるだけで素早く稼動して軽いので、例えば玄関近くの空きスペースに置いておけば旦那さん一人でも操作してくれますよ。
④入浴後の浴室に一晩干す
入浴後の湿気の多い浴室に一晩干しておくという手も。
スチームアイロン同様、蒸気に臭いを吸収させて追い出すという方法です。
入浴後に干しておくだけですので、出張先のホテルでもお手軽簡単に実践することができます。
消臭スプレーの活用可否

臭いを消すといったらやはり活用したいのは消臭スプレーですよね。
タバコ臭に対しても消臭スプレーは効果抜群、大変重宝するアイテムかと思います。
一方で注意しなければならないことがあるのはご存知ですか?良かれと思って振りまいた消臭スプレーが、かえってタバコ臭を悪化させてしまうなんてことにもなりかねません。
香料入りのスプレー(消臭芳香剤)や香水は逆効果

「良い香りがする」というキャッチフレーズの消臭スプレーがありますが、そういったものは避けるようにし「無香料」あるいは「消臭剤」名目の製品をできるだけ選びましょう。例えば「消臭芳香剤」として売られているものは、実は「芳香剤」メインで作られており、消臭効果についてはあまり期待できません。
またタバコ臭のする服の上から良い香りのスプレーをかけることで、臭いが上書きされて良い香りになる…ということにもならないのです。タバコの臭いは頑固で強烈。香料入りのスプレーをかけてしまうことにより、スプレーの香りとタバコの臭いが合わさってしまい、かえってキツイ臭いになることもあります。
これを化粧品学用語で「マスキング」と言い、香水がそれに当たります。化学反応で臭いを無臭化させる働きではなく、臭いの上塗りによる方法です。消臭剤レベルではそこまで大きな影響にはなりませんが、例えば香水でタバコの臭いを消そうと考えている場合は注意して下さい。

また、男性向けの消臭剤も最近注目を浴びています。しかし、配合成分は通常の製品と全く同じ。メーカーがよく使う手法で、女性向けの製品をパッケージだけ変えて「男性用」として売り出し、手に取りやすくさせるイメージ戦略です。香りも少し変えていたりしますが、効果に違いはありません。
非粘性のものを選ぶ
粘性とはスプレーの液体がベタベタしているのかサラサラしているのか、その度合いのことです。
粘性のあるもの、つまり液体が比較的ベタベタしているものを使ってしまうと逆効果です。粘性によって臭い分子を寄せ付けて離さなくなってしまい、余計に臭いが付きやすくなってしまうのです。
そのため頻繁に洗濯のできないものは特に非粘性の消臭スプレーを選ぶようにしましょう。
粘性があるかどうかの確認として、一度自分の手にスプレーし、それを指で擦ってみるといいでしょう。人間の感覚というものは繊細ですのでわずかな粘りも感じ取ることができます。実際に触ってみて、水のようにサラサラならOKです。
スーツのクリーニングは定期的に行いましょう
すぐに洗うことのできない衣服に対する様々なタバコ臭対策を主に紹介してきましたが、これはあくまで臭いを少しでも抑える方法であることを忘れずに。
タバコの臭いを落とすには、やはり洗濯して臭い分子を一気に洗い流すことが一番です。どうしても臭いが取れない、でも自分の家では洗濯することができない。こういった場合はクリーニングに出すという選択も視野に入れていただければと思います。
スーツやコートなど、応急処置では誤魔化しきれないときは是非クリーニングの検討をしてみてください。