


ボタン割れを防ぐ洗い方


シャツをそのまま洗うと表面の汚れが落ちやすくなりますが、ボタンが洗濯槽に直接当たってしまいます。なので直接当たらないように全部ボタンを留めシャツを裏返します。そうすることで裏生地がクッションになり衝撃を軽減してくれます。
しかし裏返したためシャツ表面の汚れ落ちが悪くなります。
貝ボタンなど割れやすいものを洗う時は、アルミホイルをボタンを包める大きさに切り取りくくりつけて洗濯します。シャツ表面の汚れがひどく、どうしても裏返して洗いたくないときにおすすめです。
割れやすいボタン・割れにくいボタン
割れにくいものに替えることも1つの手段ですが、割れないように洗濯方法を工夫することでボタン割れを防止することもできます。

できれば洗いたくないボタン
ボタン素材には、貝、皮、木材などの天然物からガラス、プラスティック 、メタル、セルロイド、陶器、紐、そしてカゼインなどがあります。
「カゼイン?」と思われた方も多いと思いますがこのカゼイン大変多く使われています。カゼインとは、牛乳を温めると表面にできるあの薄い膜のことです。カゼインは、増粘剤としてかまぼこ、スパゲッティ、アイスクリームなどに広く利用されている身近な物です。原料は、もちろん牛乳です。製造は、牛乳の脂肪を分離させて残ったタンパク質をパウダー状にしそれに水を混ぜて型に入れ固めて作ります。
カゼインボタンは、適度な固さで大成形しやすいうえに染色もしやすいという特徴があり、今多くのボタンに使用されています。作る側にとっては、大変良い素材なのでしょうが、クリーニングに来た際にはあまり歓迎したくないボタンです。つまり素人が知らずに自宅で洗濯してしまうと必ず失敗するという意味です。
通常に使用するのには、特に問題はありませんが素材の性質上濡れるとふやけて強度がかなり落ちてきます。 また水によって色も出やすくなります。
実際のトラブル例をあげますと白い綿のスーツに、紺色のカゼインボタンが付いている物を水洗いした時、ボタンの紺色がにじみ出て、白の地色についてしまいました。もちろん後でついた色は、綺麗に落としますがこのようなトラブルは、めずらしいことではありません。
対策としてあやしそうな物は、アルミ箔でくるんだりして洗っていますが、時にはその隙間から出てしまうこともあります。その他のボタンで気を使うのが薄い貝ボタンです。 ボタンカバーというのがありますのでそれに包んで洗いはしますが、それでも大変デリケートで弱い物ですのでこれも困り物です。
変わったボタンでは、七宝焼きのボタンなどもあります。そのような特殊で破損しそうな物や替えボタンが無く、絶対に無くしたくないボタン等は、可能であれば「外して」クリーニングにお出しください。ボタンも消耗品の一つですので永遠に変わらない物ではありません。